デザインや動画編集を行う際に必ずといっていいほど必要になってくるものがPhotoshopやPremiere ProといったAdobeのソフトウェアです。
今では月額課金制にもなることで仕事や趣味で使用する場面も増えてきました。
しかし、ソフトウェアの数が多くなるにつれて名前を見ただけでは何をするためのものであるかがわからないといった人も数多くいます。
なので、この記事では用途別にAdobeのソフトウェアを一覧形式でまとめてみたのでぜひ参考にしていただければと思います。
Adobe Creative Cloudとは
Adobeが開発しているソフトを紹介する前に、まずは「そもそもAdobe Creative Cloudとは何なのか」について解説していきます。
Adobe Creative Cloudとは、簡単にいうとAdobeという会社が開発しているクリエイティブソフト全てのことを指します。
そのほとんどがWEBデザインに関連したものとなっており、画像編集や動画編集、ホームページ開発に特化したソフトが月額課金制で使用できるサービスのことです。
少し前までは月額課金制ではなく買い切りでの販売しか行っていなかったので、10万円以上する高価なソフトを自由に使いこなすにはある程度の費用が必要でした。
しかし、Adobe Creative Cloudで月額課金制になり、色々なプランも始まったので自分の使いたいソフトのみをかなり安い金額で使用できるようになりました。
20種類以上ものソフトや、9種類のモバイルアプリを駆使することで様々な作品を作ることが可能になっています。
ただ、種類が多いので「自分にあったソフトは何か」や「作品にどのソフトを使うべきか」を考えて購入する必要が出てきたのも事実です。
画像編集用のソフト一覧
ここでは、写真や画像を編集する際によく使用されるソフトを一覧にして紹介します。
Photoshop
PhotoshopはIllustratorと並びAdobeの中でも有名なソフトの1つです。使ったことはないけど名前は聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
画像編集がメインですが、イラストやホームページ制作といったほとんどのデザイン関係の仕事に使用できるのでWEBデザインの仕事行っている人は使わない日がないといっても過言ではありません。
Photoshopでできることは、以下のように挙げればきりがないくらいです。
・選択ツールで写真に写り込んでしまったものを違和感なく消す
・マスクにによって画像を文字に合わせて切り抜く
・ドロップシャドウや光彩で人物に影や反射の光を入れる
・チャンネルミキサーを使い、空に虹をかけたり雪を降らせる
さらに、このような機能が誰にでもできる簡単な作業で終わらせることができるのもPhotoshopが使用されている要因の1つといえます。
購入する際には、単体で使用できるプランもあるのですが、下のLightroomも合わせて利用できるフォトプランもあるので確認してみてください。
Lightroom
Lightroomは写真の編集や管理を行うソフトです。上で紹介したPhotoshopはデザイン関係ですが、Lightroomは写真家向けに開発されているソフトといえます。
写真のデータ管理においてはPhotoshopはJPEGやPNGで保存されるのですが、LightroomではRAWデータという保存形式となっています。
RAWデータでは保存するときに非圧縮のまま保存されるので写真の品質劣化を最小限にとどめて編集を行うことができます。
また、一度の撮影で何百枚も写真を撮る方も多いと思いますが、その中から一番品質が良いものをLightroomの写真選別機能によって瞬時に判別してくれます。
その後、選別した写真をトーンカーブやコントラストといった機能を使って思い通りの雰囲気に仕上げていきます。
ただ、Photoshopで扱うような高度な画像編集の機能は持ち合わせていないので、写真の加工というよりも「写真を美しく見せる」ためのソフトとして扱うことをおすすめします。
グラフィック・デザインのソフト一覧
次は、グラフィックやデザインを制作する際に使用されるソフトを一覧形式で紹介します。
Illustrator
IllustratorはPhotoshopとは異なり、ベクター画像として編集を行うソフトです。
Photoshopではドット形式のビットマップ編集を使用しているので、画像を拡大していくとどうしても画質が荒くなってしまいます。
それに対して、Illustratorでは画像を数式化して読み込むベクター編集であるので、どれだけ画像を拡大しても画質が悪くなることはありません。
なので、Illustratorは、画像をよく拡大縮小したりするアニメのキャラクターやLINEのスタンプを作成するデザイナーの方が使用する傾向があります。
Photoshopと同期してお互いのメリットを生かすことにより、さらにクオリティの高い作品を作ることができるでしょう。
InDesign
InDesignはWEBデザインのソフトというよりは、複数ページの印刷物のデザインやレイアウトに特化したソフトに仕上がっています。実際、雑誌や書籍はほとんどInDesignによって制作されています。
InDesignの特徴はなんといってもページ管理の機能があることです。他のソフトでは1ページずつ保存しなければならないデータをInDesignでは全てまとめて保存できます。
1つのデータにまとめて保存することで修正部分が発生しても全てのページを修正する必要がありません。
さらに、作成したドキュメントは様々な形式で保存が可能なのでPDFにして電子書籍として販売することも簡単にできるようになりました。
ただ、多機能になった反面、最初のレイアウトデータ作成の際に多くの設定を行わないといけないので初心者の方には少しハードルが高いソフトといえます。
Acrobat Pro
Acrobat ProはPDFのデータ編集や閲覧を行うソフトです。他のソフトよりも使用している人は少ない印象を受けます。
PDFをWordやExcelに変換したり、Webページ自体をスキャンしてPDFにすることもできるのでかなり使いやすいでしょう。また、PDF自体の編集機能も多く備わっておりページ結合や他人と共有といったこともできます。
また、PDFだけではなく動画や音声といった他のデータも共有できるので知っておけば作品の幅も広がるでしょう。
映像・音声編集ソフト一覧
ここでは、映像や音声を編集する際によく使用されるソフトを一覧形式で紹介します。
Premiere Pro
Premiere Proはテレビや映画、WEB関連の動画といったほとんどの映像に使用される代表的な映像編集ソフトです。
動画サービスで有名なYouTubeでも、人気YouTuberの方はPremiere Proを使用して動画編集を行なっています。HIKAKIN氏や瀬戸弘司氏などが代表的な例です。
また、ハリウッド映画などでも使用されており「デッドプール」や「ジン・ゴジラ」はPremiere Proで映像編集を行なっていました。
テレビでよくあるテロップや効果音、映像のカットペーストは全てPremiere Proで行える上にチュートリアルもあるので初心者の方も取り組みやすいことがメリットの1つです。
After Effects
After EffectsもPremiere Proと同様映像編集ソフトですが、こちらはより複雑な動きをつけたい人向けとなっています。
例えば、下で挙げるような編集を行う際はAfter Effectsがおすすめです。
・映像素材を何個も重ねて複雑な作品をつくる
・映像に特殊な効果をつける
・映像素材そのものを動かす編集を行う
After Effectsではアニメのキャラクターを動かしたり映像の色調を補正したりと、高度な編集ができますがデータ量も大きくなるのでCMや5分程度のミュージックビデオによく使用されます。
Audition
Auditionはその名の通り音声編集を行うためのソフトです。映像だけではなく、音声のノイズ除去や効果音そのものを作成したりすることができます。
さらに、音声自体を可視化することで音の合成や分解などの細かい作業も可能となっています。
Animate
AnimateはIllustratorなどと同じベクターデータでの映像編集ソフトです。主に二次元のアニメーションを作成する際に使用します。
ベクターデータによる高度な編集はもちろん、仮想的なカメラを使って角度変更やズームといったことも行えるようになっています。
また、HTMLCanvasにも対応しているので、エクスポートを行うことで比較的軽い容量でホームページにアニメーションを掲載することも可能です。
WEB制作のソフト一覧
ここでは、ホームページなどのWEB制作を行う際に必要になるソフトを一覧で紹介します。
Dreamweaver
Dreamweaverはホームページ制作の際に必ず必要となるコーディング専用のソフトです。HTMLやCSS,Javascriptといったコードを記述してWebデザインを作っていきます。
コードを編集するコードエディターでは入力途中に打とうとしているコードを予測してくれる補助機能がついていたり、ホームページを見ながらリアルタイムでコードエラーを発見してくれたりと、とても使いやすくなっています。
ただ、DreamweaverはHTMLなどの知識がある前提として作られているので専門知識がないとうまく使いこなすことは難しく、諦めてしまう人がほとんどです。
自由にWEB制作を行いたいのであれば、まずはコーディングを勉強してその実践としてDreamweaverを使うことをおすすめします。
Experience Design
Experience Designでは、モバイルアプリやウェブサイトのUIデザインやプロトタイプの作成を行うUXデザインソフトです。現在はMacOS版のみリリースされています。
PhotoshopやIllustratorでWebサイトを制作すると画像のみの表示になってしまい、サイトの全体像がつかみにくかったのですが、Experience Designでは画面の遷移や挙動まで再現することができます。
直感的にホームページやアプリを作成することができ、他のソフトとは違って専門的な知識がそこまでいらないので気軽に使いやすいのもメリットの1つです。
その他のソフト一覧
今まで紹介したソフトを補助する役割を持つその他のソフトを一覧形式で紹介します。
Media Encoder
Media EncoderはPremiere Proなどで作成した映像を書き出す(エンコードする)ためのソフトです。実はYouTubeやテレビで流れている映像もすべてエンコードされたものなのです。
動画のファイルサイズを小さくしたり、画質を良くしたりするような細かい調整も行うことができます。
InCopy
InCopyはInDesignと結びついている文書作成、編集ソフトです。InDesignを持っていないライターや編集者の方と一緒に作業する際には必要になります。
いわゆる共同編集用のソフトなので、1人で全て制作するのであればInDesignで編集を行えばいいのであまり使うことはありません。
Prelude
動画などのメディアファイルを一括して管理するソフトです。Preludeでファイルを整理してPremiere Proで編集を行うといったことができるようになります。
Character Animator
元々はAfter Effectsの機能の1つとして存在していたものが、独立したソフトになったものがCharacter Animatorです。
用途としては、静止画にアニメーションをつけて動かしたい際によく使用されます。表情などの複雑な動きにも対応しているので表現の幅はかなり広がるでしょう。
Bridge
Bridgeは写真やロゴなどの画像ファイルやAdobeで制作した作品を一元管理できるソフトです。写真などの編集は行えませんが、複数のソフトで利用しているファイルを一括して保存できるのが最大の特徴です。
例えば、Lightroomで編集した写真を瞬時にPhotoshopに共有して編集することができるようになるため、作業効率向上も見込めます。
Adobe Spark
Adobe SparkはSNSでちょっと加工した写真や短い動画を投稿したいという時には最適なソフトです。
他の写真編集や動画編集ソフトとはちがい、驚くほど簡単に編集を行うことができるため初めてでもすぐに使いこなせるようになります。
Dimension
Dimensionとは2Dと3Dを柔軟に組み合わせられる今までにはなかったグラフィックデザインソフトです。
まだ使用している人は少ないですが、Adobe Stockから3Dのデータをダウンロードすることでクオリティの高い合成イメージを簡単に制作することができます。
モバイルソフト一覧
最後に、スマホでも使用できるモバイルソフトを一覧形式で紹介します。
Capture
Captureはスマホで撮影した写真を「カラー」「ブラシ」などの5つの機能を使って素材として活用することができるアプリです。
PhotoshopやIllustratorと同期させることですぐに画像編集に使うこともできます。
Illustrator Draw
Illustrator Drawはモバイル端末でベクター編集を行うことができるアプリです。写真を複製して重ねたりすることで、1から自分で画像を作り上げていくことが可能です。
作成したデータはワンタッチでPhotoshopなどに転送することもできます。
Photoshop Sketch/Mix/Fix
Photoshopのスマホ版アプリは「Sketch/Mix/Fix」の3つのアプリがリリースされています。Illustrator Drawと似ていますが、画像がドット形式で保存される部分が異なっています。
ドット形式のため、水彩画やパステルカラーといった他では表現しにくいものも作品にすることができます。
Comp
Compではスマホやタブレット状で印刷物のレイアウトを簡単に作成することができます。
操作はとても簡単で、Illustratorのように画像やテキストを自由に配置したり、Adobe Typekitから利用したいフォントを選んで使用することも可能です。
Adobe XD
デスクトップのソフトで紹介した「Experience Design」をモバイル版として開発されたものがAdobe XDです。
モバイルサイトのUI/UXデザインをプレビューすることが可能なので適宜確認しながら最適なサイト設計を行うことができます。
Premiere Rush
Premiere Rushはスマホで行うことができる簡易的な動画編集用アプリです。動画だけではなく写真やエフェクトを使うことも可能です。
もちろんワンタップで編集した動画をデスクトップの「Premiere Pro」に転送をして編集を続けることもできます。
Lightroom
デスクトップの「Lightroom」がモバイル版としても使用できるようになりました。基本的な機能はほとんど変わりません。
明瞭度や光量調整といった操作も簡単に行うことができます。モバイル版のPhotoshopも活用することで作品をより良いものにすることも可能です。
まとめ
今回の記事ではAdobeが開発しているソフトのほぼ全てを紹介しました。今回紹介したソフトは制作を行う際に役に立つものばかりです。
ぜひこの記事を参考にして、自分の目的にあったソフトウェアを見つけてもらえればと思います。
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